この記事の概要
この記事では、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅲ種の過去問題集をもとに作成したランキングを紹介しています。
勉強中の人も受験するか迷っている人も、ぜひ読んでみてくださいね。
この記事で紹介するのは、
- 第4章「ストレスの気づき方」
- 第5章「ストレスへの対処・軽減方法」
- 第6章「社内外資源の活用」
です。
今回参考にしたのはこちらの本
第1~3章はこちら!
頻出問題ランキング!
【第4章】ストレスの気づき方
ここでは、同率で3位が2つありました。
1-③「ストレスの個人差」(公式テキストP65~)より、
心理的負荷評価表
が最も多い過去9回の試験のうち8回出題でした。
心理的負荷評価表は、職場で心理的負荷となる具体的な出来事と、ストレスの強度(Ⅰ~Ⅲ種)を示した表です。
心理的負荷評価表はこんな感じ!
過去に問われたのは、下記のポイントです。
- 各できごとの心理的負担の強度
- 日常のできごとがどのストレスの種類に分類されるのか
1-①「注意すべきリスク」(公式テキストP65~)より、
ストレスモデル『DCS(Demand-Control-Support Model)』についての出題
※過去9回の試験のうち6回出題
DCSとは、「職場のストレスは仕事で要求される度合いが大きく、自由裁量の度合が小さく、社会支援(ソーシャルサポート)が得られない場合に最もストレスが高くなる」というストレスモデルをさします。
よく問われるポイント
- 「自分で仕事のやり方が決められない」という低コントロールの状態は、職場においてまず注意すべきリスク要因と言える。
2-①「個人生活におけるストレス」(公式テキストP68~)より、
社会的再適応評価尺度
が過去9回の試験のうち4回出題されています。
社会的再適応評価尺度とは、人生や日常生活を大きく変えることになる出来事をリスト形式でしめしたものです。
問われるポイント
- ストレス値の順位1位の出来事は「配偶者の死」
- 日本での対研究の結果、配偶者の死に続いて、第2位は「会社の倒産」になったが、「家族との離別」も高い値となった。
同率3位
4-①「簡易チェックリスト(職業性ストレス簡易調査票)」(公式テキストP77~)より、
簡易チェックリストの注意点(職業性ストレス簡易調査票)
が過去9回の試験のうち4回出題されています。
- 簡易チェックリストの注意点の一部が入替えで出題され、正誤を問われる問題が多かったです。
簡易チェックリストの注意点
- 職業性のストレス調査票であり、仕事外のストレス要因など、たとえば家庭におけるストレス要因などについては測定していない
- 回答者のパーソナリティーについて考慮されていない
- 調査時点のストレス状況しか把握できない
- 結果が必ずいつも正確な情報をもたらすとは限らない
- うつ病など精神疾患を診断するものではない
【第5章】ストレスへの対処・軽減方法
第5章は、第4章と同じくに出題が多い分野です。
1-①「ストレスの軽減方法」(公式テキストP84~)より、
健康づくりのための睡眠指針
が過去9回の試験のうち4回出題されました。
- 指針の内容の○×問題が多く出題
- 快適な睡眠の4つのポイント(光、体温、自立神経系、寝室環境の条件)と、各ポイントでキーワードとなる用語が問われました
たとえば
- 健康づくりのための睡眠指針2014(厚生労働省)に関する次の1~4の記述のうち最も適切なものを選べ。
-
- “睡眠薬の代わりに寝酒”は睡眠を深くする
- 年齢を重ねると、一般的に睡眠時間は長くなる
- 眠りが浅いときは、積極的に早寝・早起きにした方が良い
- 睡眠不足は結果的に仕事の能率を下げる
答えは4
同率1位
1-③「ストレス要因への対処法」(公式テキストP102~)より、
ストレス要因への対処法(コーピング)
が過去9回の試験のうち4回出題されました。
- 酒の力で仕事のミスを忘れてイライラを解消することもコーピングのひとつ
- この方法では、根本的な課題はできない
- ストレス要因に対するコーピング
- ストレス要因となる刺激を「いやだ」「つまらない」と思わないことも有効である
- 誤った思い込みと正しい考え方
- ◎ 間違わないように努めるが、いつもうまくいくとは限らない
- ◎ ミスを犯さないようにしたいが、絶対にミスはしないという保証はない
- × 絶対にそうだ、100%あり得ない、いつもうまくやれる
- 肯定的な面に着目して考えてみることも刺激への嫌悪感でストレス反応が生じることを防ぐ 方法のひとつ
- どうしても取り除けないストレス要因に対して、しばらく我慢してみるという判断も時には必要
コーピングの種類
- 問題焦点型コーピング
- 悩みや苦しみの原因を取り除く、受けた刺激をいやだと思わない
- 情動焦点型コーピング
- リラックスに努める
問題焦点型コーピングには、何も考えずに思い切ってやってみる、ものごとをよい面を考えるなどがあります。
同率1位
2-③「同僚のケア」(公式テキストP117~)より、
メンタル不調になりやすい時期
が過去9回の試験のうち4回出題されました。
メンタル不調になりやすい時期
- 長時間残業が続いているとき
- 就職後1年以内(特に1~6ヶ月)
- 昇進・配置転換・出向後、仕事内容や責任の変化後1~12か月(多くは3~6ヶ月後)
- 結婚・出産・引っ越し・単身赴任などの変化後1~12ヶ月(多くは3~6ヶ月後)
月数が問われる問題も出ています!
1-①「ストレスの軽減方法」(公式テキストP84~)より、
※過去9回の試験のうち3回出題
上記の流れとキーワード(赤字)が多く出題されています。
同率2位
1-①「ストレスの軽減方法」(公式テキストP84~)より、
3種類のリラクゼーション方法
※過去9回の試験のうち3回出題
3つのリラクゼーションは、
- 呼吸法
- 胸式呼吸、腹式呼吸
- 緊張したときは胸式呼吸、リラックスできるのは腹式呼吸
- 漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)
- 筋肉の緊張と弛緩の感覚の差を大きくすることでリラックスした状態を感じやすくなる
- 自律訓練法
- 自己暗示の練習によって不安や緊張を軽減させる方法
筋肉を緩ませて自律神経系の働きのバランスを整えることができる
- 自己暗示の練習によって不安や緊張を軽減させる方法
のことをさします。
②漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)と、③自律訓練法が入れ違いで出題されて、正誤を問う問題が出ています。
同率2位
1「自発的な相談の有用性」(公式テキストP108~)より、
早期のストレスサイン
※過去9回の試験のうち3回出題
感情面 | 緊張・不安・イライラ・気分の落ち込みなど |
---|---|
思考面 | 集中力の低下・頭の回転が落ちる・自分を責めるなど |
意欲 | やる気がしない、何をするのにも億劫 |
心身の状態 | よく眠れない、食欲が落ちた |
早期のストレスサインとして正しいものを選択させる問題が出されていました
同率2位
1-①「コミュニケーション・スキル」(公式テキストP109~)より、
建設的な人間関係に必要な3つの条件
が過去9回の試験のうち3回出題されました。
3つの条件とは
- 聴き手は、相手の話に「共感」すること
- 聴き手は、相手の話に「無条件の肯定的関心」を示すこと
- 聴き手は、「自分に正直であること」
これらの条件を一定期間継続する必要があるとされています
同率2位
1-①「コミュニケーション・スキル」(公式テキストP109~)より、
コミュニケーションの3つのタイプのうちアサーティブな関係を維持するためのスキル
が過去9回の試験のうち3回出題されました。
コミュニケーションの3つのタイプ
- 自分のことだけを考える
- 自分より他者を優先にする
- 自分のことも相手のことも考えて、2人にとって心地よい着地点を見つける関係(アサーティブ)
アサーティブな関係を維持するためのスキルの例
- 自分の気持ち、考えに正直になる(自分を知る)
- 相手を受け入れられるようになる(受容)
- 自分と異なる多様性も受け入れる(多様性)
- 言葉以外のしぐさ、表情も理解する(非言語コミュニケーション)
○×問題で、一部が誤った内容に書き換えられて、正誤を問う問題が出題されています
【第6章】社内外資源の活用
1-①「活用できる資源」(公式テキストP124~)より、
事業場外の相談窓口(会社組織の外部にある相談窓口)
が過去9回の試験のうち3回出題されました。
3つの事業場外の相談窓口
- 会社が外部の専門機関に委託して設置しているもの
- 健康保険組合が設置しているもの
- 労働組合が設置しているもの
同率1位
1-①「活用できる資源」(公式テキストP124~)より、
公的な相談機関について
が過去9回の試験のうち3回出題されました。
公的機関の代表例
- 精神保健福祉センター
- 各都道府県と政令指定都市に設置された精神保健の総合的な技術センター
- 保健所、保険センター
- 一番身近な存在であり、都道府県・政令指定都市や市町村に設置されている
- みんなのメンタルヘルス総合サイト
- 厚生労働省が発信。全国の相談窓口がまとめられている
- こころの耳電話相談、こころの耳メール相談
- 厚生労働省が設置。電話やメールで相談できる
- いのちの電話
- 養成課程を修了したボランティア相談員によって運営
検証してわかったこと
ここまで、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅲ種の出題数ランキングを紹介してきました。
以下は、ランキングを作成してわかったことです。
- 頻出の項目はあるものの、公式テキストから幅広く出題されている
- 公式テキストの文章がそのまま選択肢として出る問題が多い
- 感覚で解ける問題と、専門用語を知らないと解けない問題がある
- 選択肢の文章は長くても、じっくり読めば不適切なところに気づける
「勉強してみようかな」「これなら私でも勉強できそう」と思った方は、ぜひ公式テキストや問題集を手に取ってみてくださいね。
公式テキスト
公式過去問題集