「損害サービスを辞めれば心穏やかに過ごせると思っていたのに…。」損害サービスから転職した私が当時感じたことです。
今よりも落ち着いて働ける仕事は存在しますが、どのような仕事や職場環境であれば心が穏やかになるのかは人それぞれです。
私のように後悔したり、転職を繰り返さないために、この記事で紹介している”心穏やかに過ごせる仕事を見つけるコツ“を実践してみてください。
どんな仕事であれば心穏やかに過ごせるのか具体的にわかるようになるので、転職するときに効率的な活動ができます。
なぜ損害サービス社員は心穏やかに働けないのか
心穏やかな状態とは
“穏やか”とは、「静かでのどかなさま。安らか。気持ちが落ち着いていて物静かなさま。」のことをさします。出典:コトバンク
心穏やかに過ごすには、精神的な平和を感じられて気持ちが落ち着くことがポイントです。
損害サービスの仕事は、毎日が戦いで、慌ただしい日々であることが心穏やかに過ごせない原因でしょう。
損害サービスは感情労働だから
「感情労働」という言葉をご存知でしょうか。ここでは、感情労働が心穏やかに働けない原因の一つである理由について解説します。
感情労働とは
感情労働には以下3つの特徴があり、損害サービスの仕事と概ね一致しています。
- 対面あるいは声によって人と接することが不可欠
- 電話での示談交渉
- 他人に何らかの感情の変化を与える
- 交通事故で不安な契約者に、事故解決で安心感を与える
- 雇用者が研修や管理体制を通じて、働く人の感情をある程度支配する
- 会社からお客様対応の品質や迅速な保険金支払いを求められる
感情労働が及ぼす影響
本当の感情を抑え、自分が感じていない感情を無理に出す「感情労働」は、心理的負荷がかかります。
感情労働を無理に続けた結果、心の健康を脅かす可能性も。
損害サービスでは心穏やかにいられない
損害サービスの仕事は、感情労働の特徴とほぼ一致しており、精神的な平和を感じて気持ちが落ち着いている「心穏やか」な状態とはかけ離れているのです。
毎日のように理不尽に怒られて、感情を表に出さず冷静に対応し続けている損害サービス社員は、心穏やかに働くのは難しいのかもしれません。
参照:「対人援助職における感情 労働がバーンアウトおよびストレスに与える影響」
早稲田大学 荻野佳代 子 ・ 日本工業 大学瀧ヶ崎隆司 ・リハビリテーションセ ンター鹿教湯病院2稲木康一郎
損害サービス社員が心穏やかに働ける仕事の特徴
業務量がちょうどいい
自分にとって業務量が適正な仕事を選ぶのも心穏やかに働くためのポイントです。
“ちょうどいい”は人によって異なり、忙しいときの方が仕事のパフォーマンスが良い人もいます。
損害サービスで常に追われている感覚でしんどいと感じている人は、業務量(残業時間)で仕事選びをするのも良いでしょう。
自分のペースで進められる
ある程度自分のペースで仕事を進められるのも心穏やかに働くためのポイントです。
損害サービスのように突発的な対応が比較的少なければ、落ち着いて働くことができます。
たとえば、副業からでも始めやすいWebライターや動画編集は、納期を守れば自分のリズムで進めやすい職種です。
いつも仕事に追われている感覚があって心に余裕がない人は、自分のペースでできるかどうかを判断材料の一つにしてみてください。
責任が重すぎない
損害サービスの仕事は責任が重すぎると感じている人は、比較的責任が軽い職種を選ぶと心穏やかに働けるでしょう。
新人のころは、有無責を判断して契約者に伝えたり、過失割合や法律の話をしたりするのが、自信がなくて精神的負担を感じていました。
たとえば、事務職の中でも、上司の承認が必ず必要であったり、担当が一人に固定されていなかったりと責任が分散されている仕事もあります。
求人を探すときに責任の重さという観点でチェックしてみてください。
暴言を吐かれない
顧客対応で疲弊している損害サービス社員は、直接お客様対応をしない(少ない)仕事を選ぶと心穏やかに過ごせるでしょう。
クレームやトラブル対応がなくなることで、心の負担が軽減され、穏やかな精神が保たれやすくなります。
たとえば、社外とのやり取りが少ない職種や、クリエイティブ職があります。
契約者や相手方の応対にストレスを感じている場合は、対人業務の少ない職種を検討してみてください。
心穏やかに働ける仕事9選
保険事務
損保事務は、損害サービスよりは比較的穏やかに働けるでしょう。
顧客対応が必要なものの、仕事内容は新規契約や変更、更新手続きなどで、感情的になっている人を相手にするわけではありません。
私が保険代理店の事務として働いた体験談はこちらです。
事務センター(バックオフィス)
事務センターのようなバックオフィス業務は、対人関係に疲弊した損害サービス社員が穏やかに働ける職種の一つでしょう。
直接お客様とやり取りすることはなく事務処理に集中できる環境なので、ある程度自分のペースで進められます。
受付事務
受付事務も心穏やかに働ける仕事の候補の一つです。
訪問者対応や電話対応、応接室の管理などがメイン業務で、過度な負担はかかりません。
たとえば、企業の受付では、来客者を担当者につないで案内するなどルーティーンワークも多く、比較的落ち着いた環境で働けます。
対面で接客することに抵抗がない人にとって受付は、心穏やかに働ける仕事の一つでしょう。
図書館のスタッフ
図書のスタッフは、静かな環境で穏やかに働ける職種の一つです。
図書館での仕事は、利用者への本の貸し出しや返却手続き、図書の管理が中心であり、騒がしい環境やプレッシャーが少なく落ち着いた環境が特徴です。
静かでリラックスした環境で働きたい方には、図書館のスタッフが向いているでしょう。
大学職員
大学事務は、落ち着いた環境で働ける職種の一つです。
配属される部署にもよりますが、 下記の理由などから、損害サービスよりは穏やかに働くことができるでしょう。
- 学生や教授のサポート業務がメインで外部からのストレスが少ない
- 高度な専門知識が不要
- ルーティンワークが多い
心穏やかに働きたい損害サービス社員はチェックしてみる価値ありです。
リスクマネジメント
「リスクマネジメント」は、企業が直面するリスクを特定し、リスク回避や対策を打つ仕事です。
損害サービスの仕事で顧客対応に疲弊しており、分析や戦略を考えるのが得意な人は、一度検討してみても良いかもしれません。
Webライター
Webライターは、インターネット上の文章を書く仕事で、在宅で人との関わりを限定したい人が心穏やかに働ける職種の一つです。
取材やインタビューが無ければ、クライアントとのやりとりは、オンラインがメインなので対面や電話でのコミュニケーションが少ない傾向にあります。
損保の知識を活かしつつ、もくもくと仕事をしたい損害サービス社員におすすめです。
参考記事
Webデザイナー
Webデザイナーは、Webサイトの企画・デザイン・制作をする仕事です。
コーディング(コンピューター用の言語でデザイン案どおりのサイトができるよう命令を出す作業)は、PCと向かい合う時間が多いため、ひとり集中して作業をしたい人とっては、心穏やかに働ける職種でしょう。
ただし、未経験から転職する場合は事前に基礎スキルを身につけておく必要があります。
参考記事
動画編集者
動画編集者は、映像素材をカット、組み合わせ、色調補正、テロップ挿入、BGMや効果音の追加などをすることで視覚的にわかりやすい動画を制作する仕事です。
Webデザイナーと同様、PCと向かい合う時間が長いため、もくもくと作業するのが苦にならない人にとっては心穏やかに働ける職種の一つでしょう。
心穏やかに働ける仕事のデメリット
スキルアップが難しい
デメリットの一つめは、スキルアップが難しいことです。
心穏やかに過ごせる仕事は、ストレスをあまり感じない傾向にあります。
スキルアップするためには苦難の道を乗り越えなければならない場面も多々でてくるでしょう。
仕事でスキルアップが難しいのであれば、プライベートで趣味を充実させたり、自分磨きに励んだりと、エネルギーを使うこともできます。
年収が上がらない
スキルアップが難しいと、収入アップも見込めないでしょう。
心穏やかに働ける仕事は、ルーティン業務が多く、ステップアップする機会が少ないためです。
収入が上がらないのであれば、生活の水準を見直したり、自分が満足できるハードルを下げることで解決できる可能性があります。
モチベーションが上がらない
給与アップや成長が見込まれないことでモチベーションが下がる人もいるでしょう。
ただ、自分にとってのモチベーションがわかっていれば、お金やスキルアップの面で劣っていたとしても日々の生活に満足します。
刺激が足りないと感じる可能性も
毎日が戦いである損害サービスから、心穏やかに働ける仕事に就くと刺激が足りないと感じる人もいるかもしれません。
仕事に追われるのはしんどいですが、仕事を終えた時に達成感を感じられたり、時間があっという間に過ぎたりする働き方が良かったと感じる可能性もあります。
転職する以外で心穏やかに働く方法
全てを100%の力でやろうとしない
良い意味での「いい加減」で仕事をすれば心が乱れずに働けるでしょう。
「全て完ぺきにやらないといけない」と考えていると、達成できなかったときに自分を責めます。
今日やらなくても良いものは明日に回す、人にお願いできるものは頼む、仕事ができる人に合わせようとしないなど、自分が楽になれる方法を取ってみてください。
プライベートでの生きがいを見つける
プライベートで生きがいを見つけると、仕事で嫌なことが起きても心を乱さずに働けるようになるでしょう。
ネガティブな感情が起きても、ポジティブな気持ちを思い出せれば、気持ちが切り替えられます。
感情のコントロールができるようになれば、自分の力で心穏やかに過ごせる人になることができます。
損サから心穏やかに働ける仕事に就く方法
自分が嫌なことを知る
心穏やかに働くためには、損害サービスの仕事の中で嫌だと感じていることを知るところからはじめます。
自分にとって嫌なことを排除できれば、心が乱れる機会も少なくなるからです。
日常業務で具体的に何が嫌なのか、なぜ嫌だと感じるのかを洗い出します。
私の場合は、毎日のように怒られたり否定されたりしたので、自己肯定感が落ちて自分を責め続けたことです。
損害サービスの仕事でポジティブな感情になれる瞬間があるのであれば、それがどんなことなのかも洗い出しておきましょう。
第三者にあなたの強みやスキルを見つけてもらう
客観的な視点をもった第三者に効くと、思いがけない長所や強みが見つかることがあります。
見つけられた長所や強みは、次の仕事を探すヒントになります。
たとえば
コミュニケーション能力が劣っていると思っていたが、周りの人に聞いてみたところ、集中力が高い・粘り強く物事を続けられるという長所が見つかった。
転職で叶えたい条件を明確にする
転職で叶えたい条件は、「転職軸」ともいわれます。 軸を明確にすれば転職で後悔することが無くなります。
「心穏やかに働きたい」だけではなく、「電話が少ない仕事」「クレームの少ない仕事」「社外の人との関わりが少ない仕事」など具体的に洗い出すのが重要です。
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自分がどのような状況であれば、心穏やかにいられるのかイメージしてみてください。
転職エージェントに登録して希望に合った求人を紹介してもらう
心穏やかに働ける条件が見つかったら、転職のプロであるエージェントに求人を紹介してもらいましょう。
転職エージェントには、非公開求人があり、インターネットでは探せない求人も紹介できるからです。
自分で探し始めると膨大な求人の量に疲弊してしまいますが、エージェントを利用すれば条件などを厳選してもらえるので、毎日忙しい損害サービス社員には便利です。
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よくある疑問
心穏やかに働けて年収も良い仕事はある?
心穏やかに働ける条件は人それぞれです。
専門的なスキルが必要な職種は年収が高くなる傾向にあります。
精神的安定と年収どちらも譲れない人は、自分がどのような環境であれば心が穏やかでいられるのかを把握して、年収が高めの職種を選ぶのも良いでしょう。
もう限界…次が決まってないけど先に辞めても大丈夫?
正直、先に辞めても大丈夫だと考えています。
私自身、一度無職になってから次の仕事を決めた経験があります。
ただ、先に仕事を辞めると、時間と精神的な余裕ができるメリットがありますが、転職先が決まらない焦りから内定を承諾してしまい、入社後に後悔する可能性があるデメリットも。
双方のメリット・デメリットを十分に理解した上で行動にうつしましょう。
まとめ
損害サービス社員が心穏やかに過ごせる仕事に就くためには、嫌だと感じていることや長所・強みを知り、転職で叶えたい条件(転職軸)を明確にすることが大切です。
強いストレスを感じる業務を排除できれば心穏やかに過ごしやすくなり、長所や強みを知ることができればどのような仕事が良いのか具体的に見えてきます。
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