事務職とは
事務職は、データ管理や書類整理、顧客対応などで他の社員をサポートする職種で、業種を問わず求められる仕事です。
事務職にもいくつか種類がありますので、ここでは損害サービスでの経験やスキルが活かせる事務職に絞って紹介します。
損サの経験を活かせる事務職の種類と仕事内容
損保事務
正確にいうと損害サービスも損保事務ですが、ここでは保険代理店の事務を想定して解説します。
仕事内容
- 見積もり作成
- 顧客対応
- データ管理
- 顧客情報管理
活かせる損サのスキル |
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・損保知識(有無責や商品知識など) ・マルチタスク ・コミュニケーションスキル ・約款解釈スキル |
私は保険代理店の事務で働いた経験があります。体験談はこちらの記事で詳しく紹介しています。
銀行事務
銀行事務には、窓口事務と後方事務があります。
対人業務で疲弊した損害サービスのみなさんのために、対面での接客がない後方事務について解説します。
仕事内容
- 口座開設や解約
- 入出金処理
- 顧客管理(住所・連絡先変更など)
- 相続手続き
- 融資事務
活かせる損サのスキル |
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・繰り返し同じ処理を行う ・数字を扱うスキル(1円単位での計算など) ・学び続ける力 ・正確な事務処理 ・電話応対力 |
証券事務
証券事務は、証券会社で行う事務全般をいい、その業務範囲は多岐にわたります。
仕事内容
- トレーダーやアナリストのサポート
- 証券口座の管理
- 電話応対
- 顧客データの管理
活かせる損サのスキル |
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・数字を扱うスキル(1円単位での計算など) ・学び続ける力 ・正確な事務処理 ・電話応対力 |
人事労務管理
人事労務管理のうち人事は採用や育成、労務は給与計算や社会保険の手続きなど、いずれも社内の人と多く関わる職種です。
仕事内容
- 社員の入退社手続き
- 社員の研修・育成
- 給与計算
- 社会保険や労災などの手続き
活かせる損サのスキル |
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・対人折衝力 ・難解な文章を読み解くスキル |
法律や会社の勉強規則に沿った処理を行うため、損害サービスで身についた約款を読み解くスキルが活かせるでしょう。
総務
総務の仕事は、社内備品の管理、防災設備のメンテナンス、社内イベントの企画運営など多岐にわたるのが特徴です。
仕事内容
- 社内ルールの整備
- 社内備品の管理
- 防災設備のメンテナンス
- 社内イベントの企画運営
活かせる損サのスキル |
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・対人折衝力 ・コミュニケーション力 ・案件管理能力 |
総務では、社外の人に限らず、多くの部署とのやり取りが必要になります。
損害サービスで培った多数の関係者の間に入って事故解決のために交渉を進める力が活かせるでしょう。
営業事務
営業事務は、営業担当者のサポートがメインですが、業務が多忙なケースもあり、その会社の商品・サービスの深い知識が求められる職種です。
仕事内容
- 見積書や請求書などの書類作成
- 問い合わせ対応
- データ管理
活かせる損サのスキル |
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・マルチタスク ・スケジュール管理 ・臨機応変な対応 |
営業事務では幅広い業務を任せられます。 損害サービスでの、大量の案件を回すマルチタスクのスキルが活かせるでしょう。
法務事務
法務事務では、秘密保持契約や業務委託契約などの契約書の確認や顧問弁護士とのやりとり、法的トラブルの対応などを担います。
仕事内容
- 取引先と交わす契約書の確認
- 法的なトラブルに関するお客様対応
- コンプライアンスに関わる業務
- 他の部署を法律面でサポート
活かせる損サのスキル |
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・難解な文章を読み解く力 ・示談交渉の経験 ・損害賠償の知識 |
法務の仕事は、専門的かつ経験が重視される職種です。
法学部出身もしくは、ポテンシャル採用をめざせる20代の方で興味がある人はぜひチェックしてみてください。
経理
経理は会社のお金の流れをまとめたり、管理したりする部門です。
仕事内容
- 月次決算書作成
- 給与計算
- 社会保険料の計算
- 年度末決算
活かせる損サのスキル |
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・誰とでも話せるスキル ・細かい作業 ・数字に強い |
学校事務
学校事務は、小中高大学の事務全般を担う職種です。
学生管理・教務・経理・総務などの役割をまとめて担当しているケースと、役割ごとに分かれている場合があります。
仕事内容
- 入学手続き
- 学生の管理
- 教職員の給与計算
- 学生への賃貸物件の紹介
活かせる損サのスキル |
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・小難しい文章を読み解く力 ・コミュニケーション力 ・案件管理能力 |
幅広い業務を担当する可能性もあるため、損害サービスで培った大量の案件を同時並行で進める案件管理力が活かせるでしょう。
事務職に向いてる人
常に細かい注意を払える
いつも入念な配慮ができる人は事務職に合っています。
金額が1円ずれている、押印の箇所が違う、訂正方法が間違っているなど、事務作業には細かい注意が必要です。
地道な作業も丁寧にできる人は、事務職に向いているでしょう。
職場内ルールを素直に守ることができる
職場内ルールを素直に守れる人も事務職に適しているでしょう。
特に人数が多い職場ほど、ルールも多くなる傾向があります。
たとえば、備品を所定の場所に決められた向きで置くなど「そんなことも決められてるの?」と理解しがたいルールもあります。
そのような環境でも、ルールの目的を理解して素直に守ることができる人は、特に事務センターなど規模が大きい職場に向いています。
他の人と協力して効率的に業務を進めることができる
周りの人と協力して仕事を進められる人は事務職に向いてるでしょう。
事務職はチームを組んで業務を進めることが多いです。
他の人が困っていたら手を差し伸べる、業務が円滑に進むように声かけする、適切なコミュニケーションを取る。
一人で黙々と進めるイメージがある事務職ですが、職場の人間関係も大切です。
毎日同じ作業でもコツコツと続けられる
日々同じことの繰り返しでもコツコツを仕事ができる人も事務職に適しています。
全ての事務職ではありませんが、毎日同じ作業が繰り返される傾向があります。
ルーティン業務が多くても、その中で楽しさを見出せたり、目標を持って働ける人にとって事務職に合っているでしょう。
気分によって業務の質が変わらない
気分によって仕事の質が変わらない人も事務職には向いていると考えられます。
事務職は、正確な処理が常に必要です。
女性は1か月の中でも気持ちが沈むことがあるかもしれません。
そのような場合でも、仕事のときは気持ちを切り替えて取り組める人は事務職に適しているでしょう。
臨機応変な対応ができる人
臨機応変な対応ができる人にも事務職は向いているでしょう。
同じ業務の繰り返しがメインであっても、突発的な依頼や顧客応対が必要になることがあります。
損保事務を一例に見ると、車両入替に伴う自動車保険の変更、入居済みの火災保険の申し込みなど急な対応を迫られることも多くあります。
日々突発的な応対に追われている損害サービス社員であれば、すでに臨機応変に対応する力がある人もいるでしょう。
事務職に向いてない人
毎日同じ作業だと飽きてしまう
同じ業務の繰り返しだと飽きてしまう人には事務職は向いてないかもしれません。
単調な業務が続き、集中力が無くなると仕事の質が落ちてしまうリスクがあります。
たとえば、請求書を何部も作成するときに宛名や金額を誤るとクレームになる可能性もありますよね。
ルーティンワークであっても集中力を切らさずに、正確な事務処理ができる人は事務職向きでしょう。
ずっと座っているのが苦手
一日中座ったまま仕事をするのがしんどい人は事務職には向いてないかもしれません。
事務職はデスクワークが中心で、席を立ったり、外出する機会が少ない傾向にあります。
損害サービスで座りっぱなしであるのがつらいという人は、別の職種を検討してみても良いでしょう。
多くの人と関わりを持ちたい
事務職の場合、社内の人との関りや電話でのやりとりが多くなる傾向にあります。
不特定多数の人と関わりたい人は、事務職には向いていないかもしれません。
損害サービスでもう顧客応対はもううんざりという人は、事務職でかつ関わる人がある程度限定されている仕事を選ぶと良いでしょう。
なるべく人と関わらずに仕事がしたい
人との関りを極力減らしたい人は事務職には向いていないでしょう。
事務職は全く人と関わらないというわけではありません。
総務事務では、社内の人とも備品整理やイベントの企画運営で取引先と関わりながら業務を進めます。
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細かい作業が苦手
細かい作業が苦手な人は事務職には向かないかもしれません。
事務職は細かい作業を繰り返しする必要があるからです。
損害サービスで約款や規定を読んでミスなく処理を進めることに強いストレスを感じている人は、他の職種を検討しても良いでしょう。
よくある疑問
有利な資格は?
事務職に共通して必要な資格はありません。
ただ、損保募集人のように業種によっては必要な資格があります。
下記の資格は、必須ではないものの、持っていると早く仕事が身につくようになるでしょう。
事務職に適している資格 |
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・MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト) ・日商簿記検定 ・秘書検定 ・ITパスポート |
事務職は毎日定時で帰れる?
残業があるかどうかは会社によって異なります。
事務職でも業務量が多く、残業が当たり前であるケースも多くあります。
入社前に許容できる範囲内の残業時間なのかチェックしておくと良いでしょう。
未経験から事務職に転職するのは難しい?
損害サービスで身につけたスキルを活かせば、未経験からでも事務職に転職することは可能です。
ただ、事務職は人気があり倍率も高いため、事務職に特化した書類作成や面接対策をする必要があります。
未経験から事務職に転職するには
求人サイトから応募する
一つは、転職サイトや求人サイトで事務職を見つける方法です。
自分のペースで進められたり、気軽に求人をチェックできる点がメリットですが、企業とのやりとりや面接日程調整を自分で行う必要があります。
ビジネスSNSサービスを利用する
Wantedlyは、求職者と企業をつなぐビジネスSNSサービスです。
年収などの条件面ではなく、「共感」や「価値観」に合った会社に応募できるのが特徴です。
また、本格的な採用面接の前にカジュアル面談ができるので会社の雰囲気を掴みやすいのも特徴です。
事務職に特化した転職エージェントを利用する
最後は事務職特化型のエージェントを利用して転職する方法です。
事務職の求人をメインに扱っているので、希望の求人が見つかりやすくなります。
応募書類や面接なども事務職に合わせた対策ができるので、選考通過率も高くなるでしょう。
ミラキャリは20代未経験で事務職をめざす人に向けた転職エージェントです。
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まとめ
事務職は、「簡単な仕事」「責任がないから楽できる」ということは全くありません。
専門的な知識が必要であったり、業務量が多かったりする仕事も多くあります。
ただ、事務職はスキルを身につけるのが好き、繰り返しの作業や細かい作業が苦にならない人にとっては適切な職種と言えるでしょう。
損害サービスから転職するには、損保事務などの金融事務が有利になりますが、異業種の転職も可能です。
事務職に特化型のエージェントであれば、事務職になるための書類作成や面接対策ができるので、利用する価値ありです。
一度きりの人生、損害サービスからの脱却をめざして頑張っていきましょう。